第5回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『勇者は口数がそんなに多くない傾向にあるのか』 加藤雅利

 何気なく始めたアルバイトで、賢者として勇者のサポートをすることになった千早。勇者の鈴木倫を自転車でモンスターのところまで送り届ける日々をなんとなく続け、死神のクラスメートや侍の先輩を仲間にして打倒魔王を目指す。

評価コメント

 勇者や賢者といったファンタジー世界の設定を、リアルな現代の学生にキャスティングしたところにまず驚きを覚えました。勇者、村人といったペルソナをつかったパロディ的な作品は最近増えていますが、ごく普通の学園で飄々とした雰囲気のなか、アルバイトという形でパーティを組むのはなかなか新鮮です。登場する勇者、死神もそれらしくなく、高校生のようなノリがおもしろいです。自転車で戦場に向かう勇者、便所飯を食べている死神、堕落したパーティ仲間を殺してしまう剣豪、キャラクターのおもしろさには光るものがあります。徐々にモンスターとの戦いが激化し、続きが気になる作品です。
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