第5回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『白銀の姫と嘆きの剣』 緑川トイ

 高校生・高屋麻耶はある日、成り行きで怪我をしたひとりの美少女を助ける。アリスと名乗るその少女は、クーデターにより国からの脱出を余儀なくされた王女であった。彼女を匿ったことにより、麻耶も争いのなかに巻き込まれていく。

評価コメント

 設定に魔法学校などのトレンドを取り入れており、作者がライトノベルをしっかり研究していることがわかります。なかでも刀の設定は秀逸で、センスを感じました。キャラクターも魅力的に描かれています。主人公・麻耶の、殺生を好まない正義漢ぶりは、昨今のライトノベルではあまり見かけないまっすぐな性格で、清々しいものがあります。ヒロインのアリスも、ありがちなツンデレヒロインで終わらない性格付けが魅力的でした。芯のしっかりしたキャラクター作りには好感が持てます。ラストの「皆無」バトルシーンにも迫力があり、今後を期待させる終わり方も興味が惹かれました。
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