第5回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『雷獣使いの泥食い王子』 高安フレンジィ


評価コメント(1)

 王子でありながら実父である王に疎まれ寒村に追いやられ、身に覚えのない反逆の罪をきせられる主人公ルトガーの活躍に心躍らされました。冤罪から逃れるも次から次へと困難に巻き込まれ、一時もストーリーがとどまらぬ波瀾万丈の展開です。また、泥を食べてその土地の良し悪し、性質をとらえる技能や雷獣などの設定にも力が入っており、ハイファンタジーを堪能しました。王子でありながら傲慢なところがなく、泥を食べるというルトガーも魅力的に描かれています。

評価コメント(2)

 望まぬ後継者争いに巻き込まれ、辺境の地に飛ばされた王子が、次々とやってくる困難に対して奮闘する。筋立ては定番ですが、異民族や後継者問題、動植物といった世界背景がしっかりと描かれており、まるでこんな世界が本当にどこかにあるように感じさせてくれます。中でも雷獣の設定は本作独特のものであり、それが戦の戦術に活かされている点は高く評価できます。登場人物はいずれもきちんと個性づけがされており、かつ過不足なく配置されている、完成度の高い作品です。


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