第4回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『プレイヤーズ&ゲームマスターズ』 土瀬一


評価コメント(1)

 キャラクターが非常に良く立っています。少し類型に寄りかかっている印象もありますが、それだけにわかりやすく魅力的。中でも、小柄で引っ込み思案で阪神ファンではない関西弁少女・青葉ほたるの造形は出色。ライトノベルのお約束をうまく利用して、きちんとキャラを立てることができています。

評価コメント(2)

 リプレイは一時期の沈滞ぶりから回復して次第に受け入れられつつあるものの、ゲーム自体はいまだ日本ではマイナーなポジションにあるTRPG。それを何の因果か好きになってしまった主人公・来栖の境遇や心理が最初によく描かれています。ゆえに、彼が夢宮と出会ったときの昂揚や、仲間たちを得る喜びもしっかり伝わってきます。性格最悪のゲームマスター・夢宮や、ファンタジー大好きを必死で隠そうとする紅林らのキャラ造形も素晴らしく、彼女らと来栖のやり取りは実に楽しい仕上がりです。夢宮がマスタリングするゲームのとち狂ったバランスや、そこに突っ込んで玉砕する紅林のプレイなどは笑わずにいられませんでした。


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