第4回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『陶器の姫とブリキの騎士』 壷幕辺ギャン太郎


評価コメント(1)

 不思議で独自な世界観がかっちり構築されています。おそらく作中で使われる用語1つに致るまで丁寧に検討した上で本文を組み上げていると思われますが、その試みは見事に成功しています。陶器姫というなんとも謎のキーワードに惹かれて読み始めた後は、最後まで一気に持って行かれるだけの引力がある作品。戦いに描写のあるファンタジーに、ガラスと陶器という壊れやすいものをあえて持ち出したそのセンスは素晴らしい。

評価コメント(2)

 ストーリーよりもキャラクターよりも、作者として物語に向かい合う真摯さを、まず一番に感じました。物語よりも作者のほうが「キャラ立ち」してるとは……これも個性ですね。得がたい資質です。また、何を描きたいのかが明確でブレを感じさせません。ところどころ、映像が頭に浮かび、作品のまとう空気を感じることができました。労作ですね。


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