第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『日日、服従の機械』 おかざきりょう

 夜の公園で恋人にふられた大学生「ぼく」の前に現れたのは、露出狂の美女・響子。「ぼく」は彼女に誘われるままに、彼女が所属している「ひみつ結社シークレットカンパニィ」に入ることになるが……。

評価コメント

 第1回栗山千明賞作品『ファンダ・メンダ・マウス』のような、疾走感のある文体とアンモラルでどこかせつない世界が魅力。登場人物はみんな頭がおかしく、そうなった事情も説明されていないのに、そうなってしまわざるを得なかったそれぞれの悲しみが不思議と伝わってきます。ビターな結末も雰囲気にあっていて大変良いです。一般的なライトノベルのイメージとは少し違う作品ですが、独特の世界観がよく咀嚼された小説になっています。
一覧に戻る