第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『春雨ロックンロール』 Tatsuya

 ロックな生き様に憧れる高校生の春川春樹は、テストの結果が悪かったため塾に通うことになるが、それをきっかけに担任である雨森先生の娘姉妹と出会う。ある理由から妹の華耶はギターを練習しており、春樹が趣味にしていたベース演奏をきっかけにバンドを組むことになる。

評価コメント

 パンク精神とロックな生き様、という多くの人が大なり小なり共感するものに憧れる主人公のキャラクターが面白い。格好をつけたがるところや少しひねくれたところも、若者らしいといえるし、決めるべきところは決めてくれるので、好感の持てる主人公になっています。ヒロインも充分魅力的に描かれており、行動の動機づけもしっかりしています。物語後半で描かれるライブシーンでは、そこまでに積み重ねた事柄をしっかりと消化した描写がされており、読んでいてジンとくるものがありました。歌詞に込めた自分たちの伝えたいメッセージをステージ上で表現する登場人物の想いが伝わってくるように書けています。
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