第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『禁忌の果実と乙女の基準』 花間燈

 女「声」恐怖症という珍しい疾患を持つ白木弦樹は、ある日、反則的に可憐な、名も知らない少女と出会う。少女について知りたい一心で、学校の「恋愛研究会」に助けを求めた彼は、そこで様々な〝恋のカタチ〟にふれることになり……。

評価コメント

 文章の安定感がずば抜けています。表現にひと工夫あり、描写も的確。とても読みやすく、キャラクターの心情や言動にも無理がないため、感情移入しやすいです。恋愛に対して普通じゃない生徒たちが集まる部活動という、ラブコメとしてわかりやすい舞台設定をしつつ、その生徒たちの性癖をオーソドックスなものから斬新なものまで、きちんと用意できていたことが素晴らしい。登場する女の子たちの可愛さも文句なし。テンポの良い会話、ギャグとシリアスのバランス、クライマックスの勢いの良さなどなど、相当ライトノベルを書き慣れている印象。全体的に高い完成度を持つ作品となっています。
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