第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『オレを二つ名で呼ばないで!』 逢上翁児


評価コメント(1)

 読みやすい! と思わずつぶやいてしまうほど。最初から最後までノンストップで駆け抜けるこの文章のスピード感は圧倒的。しかも二つ名システム等の説明がしつこくなく、読者目線で必要なことだけをさらりと書いているあたり、情報の取捨選択は手馴れたものだと思わせます。キャラクターなどはこれと言って目新しい点はないのですが、ラッキースケベのそつなさなどでテンプレを推進力として使う割り切り方がうまい。これは、作品がそもそも“中二ネーム”を逆手に取るというある種のメタ性を持っているからこその成功例かと思います。

評価コメント(2)

 作中に登場する「二つ名を使った特殊能力が使える学園」に、読んでいて自分も通ってみたくなるようなワクワク感がありました。作中で登場する様々な二つ名も語感が良いよう、うまく設定されています。主人公の御手洗新はキャラクターも魅力的で、能力名は残念だが工夫次第で活躍するというのも親しみが持てます。周囲のキャラクター、特にヒロインの瑞帆はかわいいながらも一筋縄ではいかない一面もあり、もっと色々な表情を見てみたくなりました。王道のエンタテイメント作品として必要なものをまんべんなく押さえた作品といえます。


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