大賞賞金500万円、金賞200万円、優秀賞100万円! 第5回『このライトノベルがすごい!』大賞選考結果発表!
第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細
『エコーズ・ハミング』 深石積匠視
評価コメント(1)
架空の兵器の制御AIという絵空事を扱いながら、考え抜かれたディティールによって、ご都合主義的な印象をかなり抑えこめているあたりは大いに感心させられました。とくに、探偵役の刑事が真相に気づく決定的なきっかけは見事のひとこと。PMC、動画投稿サイトでの創作活動などの現代的なモチーフの取り入れ方もうまく、その面でも感心させられました。新人賞応募作で「アマチュアの創作活動に苛立つプロ志望者」というモチーフを持ち込むふてぶてしさも頼もしい。ネットクリエイター周辺に渦巻いている、実はあまり深く追及されたことのない問題であり、そういうものを見つけてくる嗅覚は高く評価できます。評価コメント(2)
この作品の魅力は端的にいって、アメリカの刑事ドラマを見るようなユーモアとシリアスの混在です。有能ながら出世と縁のないスタンが押しつけられた仕事は、昔の恋人の娘を警護すること。当然発生する、過去のあれやこれやの想いと、現代的なミーハー少女とのジェネレーションギャップはアメリカンホームコメディそのもの。一方で、テロ事件の真相解明はシリアスに進み、コメディパートと絶妙にブレンドされてドラマでも見ているかのような錯覚に陥ります。→ 一覧に戻る