第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『俺サマの世界に跪け!』 四季巡


評価コメント(1)

 良い意味で、肩の凝らないファンタジー小説。おおむね現代のライトノベル読者にとって違和感のない感受性の人物が、同じく違和感のない世界で活躍する、というのは商品としてのライトノベルという観点からは非常に大事な部分。魔法世界の設定も読者に過大な負担にならない程度に凝っていて、作品世界の作り込みという観点からも及第点を与えられると思います。悪い意味での力の入り過ぎた部分がなく、すんなりと読むことができ、リーダビリティの面で高く評価できる作品です。

評価コメント(2)

 設定がその細部に至るまでよく整理され形成されています。魔法の種類、色や召喚・詠唱などの違い、固有世界のバリエーション、術式の構成・組成などについて読者が理解しやすいよう説明され、その説明もなるべく物語中から浮かないように工夫されているのが感じられました。おおまかなところについては大体の理解ができ、また表記とルビの間での遊びや意味の差異による重複性などが考えられた名前も、充分に練られているものでした。キャラもメインのメンバーだけでなく、他のギルドの者についても配慮があり、出身地や容姿・服装などにも気を配られていたのが良かったです。


一覧に戻る