第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『擬態少女は夢を見る』 島津緒繰


評価コメント(1)

 授業中に女の子のお尻を描いているところを隣りの席の女子に目撃されるという、そのシチュエーションの絶妙さが素晴らしい。そこから展開される主人公と隣りの女子・薄氷霰の会話はテンポ良く、そして脅迫的にエキセントリック。冒頭だけでも本作の面白さがにじみ出ています。さらに、アニメを制作するという大目標に向かって進んでいくストーリーはコメディであり、悲劇であり、熱血ですらあります。キャラクター小説ならではの味わい深い作品です。

評価コメント(2)

 登場する女の子たちの性格が面白い方向にひん曲がっており、かつ独特なしゃべり方をするため、キャラクターのイメージを掴みやすい。加えて、アニメーターとしての性癖や思考がちゃんと考えられており、それを物語のイベントにうまく組み込んで表現できています。また、アニメーションの技法に関しても触れられており、専門知識のない読者にもわかるように丁寧に説明されていた点も良かったです。


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