第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『ロゥド・オブ・デュラハン』 松崎


評価コメント(1)

 デュラハンという伝統的な精霊に、贖罪という古典的なテーマを組み合わせた正統派なファンタジーですが、それを最後まで読ませることのできる筆力があります。冒頭の少女の凄惨な姿から物語の方向性を決定づけ、その後も過酷な展開が続く物語を最後まで描ききっているのは凄い。血飛沫が舞い、死体が踊り狂う戦闘シーンはかっこよく書けており、敵と対峙した時のキャラクターの口上も決まっています。主人公だけではなく、助っ人のバンシーや敵キャラの一人一人も個性が強く描かれており、印象に残る一作となっています。

評価コメント(2)

 なによりもキャラクターが立っている!「精霊」という、物語の中軸となる存在が背景設定やビジュアル、決めゼリフまで非常に深く作り込まれており、惹き込まれました。物語を引っぱれるキャラが書ける能力は貴重です。そして、それを支える文章力の高さも魅力的で、キャラはもちろん、アクションから背景までビジュアル的に伝わってきます。最初から最後まで、目の前に思い描きながら読み進めることができました。


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