第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『ぐいぐいジョーはもういない』 樺薫

 高校女子硬式野球の全国大会。ダスティン女学院のエース城生羽紅衣は、高速スライダーを主武器にする天才ピッチャーで、「ぐいぐいジョー」の異名を持つ。だが彼女は決勝戦の前夜、主将でキャッチャーの鶫子に「悪いニュースとすごく悪いニュース」を告げた。そして始まった決勝戦。豪打を誇る大会二連覇中の迫田高校を相手に、ぐいぐいジョーの最後の戦いが幕を開ける。


評価コメント

 プロローグの時点で9回ツーアウトに達している上に状況も明記されているため、以後のストーリーの意外性はほとんどないと言っていいはずなのに、ページを繰る手が止まらないほど構成が絶妙。野球を全く知らない読者がおもしろく読めるかどうかにやや疑問は残りますが、それを考慮しても優れた出来栄えです。

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