第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『赤い瞳の看板娘』 川中蒼

 「白銀の狼」の二つ名で恐れられたヴィルは、ワイルティア帝国軍を退役しパン屋を開店。パンはうまいし価格設定も良心的だが、店主の顔が恐ろしいせいで開店以来閑古鳥が鳴きっぱなし。バイトを募集したところ、現れたのは赤い瞳の美少女スヴェン。完璧なスマイルと超人的な経営手腕で売り上げを見る見る伸ばすが、ワイルティア軍への憎悪をくすぶらせる住人は多く、さらにかつての上司ソフィアも現れて……。

評価コメント

 一冊分のストーリーとしては絶品と呼べそうなバランスで物語が構成されています。過去と現在の相違に苦しみ、それでもできるだけ誠実に生きていこうとするヴィルの姿が胸に迫ります。脇役たちのキャラもよく描けています。非常に手堅くまとまった良品です。

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