第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『人魚の声が聞こえない』 愛夢めぐみ

 記憶喪失になった少年・満は、失踪した小説家の叔父の行方を求めて、叔父の担当編集者であった久我山夕霞に「人魚伝説」が残る隠れ里へ連れて行かれる。そこで彼が出会ったのは、彼が夢で見た少女にそっくりな姿をした少年、鞠緒だった。


評価コメント

 常にユーモアを交えて物語を進めていく主人公の饒舌な語り口が軽快。その軽快な文章と並行して、叔父のメモや、夢の中に現われる幻想的な少女の描写を挟み込むことで、ただ軽いだけでは終わらず、厚みを感じさせる作品になっています。

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