第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『明日への扉』 坂崎悠

 柊一真は「中二病」を煩っていたことに気づき、高校入学を期に過去を忘れようとしていた。しかしクラスメイトのお嬢様・天音綾花に過去の妄想が詰まったノートを見られてしまう。焦る柊だが、天音はノートに感化され、超能力者を集めようと言い始める。しぶしぶ手伝うことになった柊だったが、本物の超能力者が集まってしまう。その上メンバーの一人、桜木ひなたに無理心中を図られ、気がついたときには自分が「桜木ひなた」になっていることに気づき……。


評価コメント

 「中二病」「妄想ノート」「超能力」といったイメージのしやすい要素で油断していると、その後に明かされる「意識の入れ替わり」「時間遡行」などの仕掛けによって驚かされました。透視や予知、読心といった超能力を披露する登場人物たち主人公とのやりとりも漫才のようで楽しく読めます。中盤から後半にかけて謎だった部分が明らかになると、会話の裏に隠れていた意図が見えてくるといった仕掛けもおもしろかったです。

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