第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『あたしは姫である。名前はまだ無い。』 花里昂生


評価コメント(1)

 完成度の非常に高い作品です。とくにキャラクターが多面的に描かれ、奥深い魅力があります。なかでも女性の描写が素晴らしく、端役の女性ひとりひとりの物語も描けるのでは…と思わせるほど個性的でした。
 各エピソードに必然があり、更にそれが大きな物語を紡いでいるのもよかった点です。

評価コメント(2)

 次から次へと息をつかせぬ展開で、どんどん先を読み進ませる筆力があります。主人公の少女だけではなく、姉であるレア姫、隣国のユーリ姫らを通じて、「姫」という立場の様々な側面を見事描き出していました。
 また、世間知らずな少女らしさを感じさせてくれる一人称の文体がいい味を出していました。最終的にそれぞれの居場所を見つけて物語は幕を閉じますが、まだまだ波乱がありそうな終わり方で続きが気になります。


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