第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『魔法少女vsヤクザ』 遠藤浅蜊


評価コメント(1)

 やくざを魔法少女の世界に引き込むのではなく、魔法少女をやくざの世界に引き込んだところにこの作品の妙味があります。心情表現を大胆に削り取り、魔法少女・亜美の正体が明かされるところでそれまでの鬱屈がぶわっと吐き出される、中盤から終盤へかけての盛り上がりは凄まじいの一言。魔法少女的なふわふわした「ちょっといかれてる」言動・行動の中に伏線を隠す技も見事です。「行住坐臥」など、多彩かつ的確な表現も非常によかったです。

評価コメント(2)

 ちょっと捻りのある魔法少女ものかと思いきや、それだけにとどまらない魅力が本作にはあります。まず、四十路で陰気な感じのする魔法少女。さらに、シリアス且つバイオレンスなストーリー。そして、混沌とした狂気の展開。不気味で迫力のある暗殺のシーンに始まり、中盤は奇妙なズレをもちながらも平凡な日常が描かれ、ラストの壊れていくような戦闘へと繋がる流れ。二重構造で描かれた構成にも工夫が感じられました。いろいろな意味で読み応えたっぷりの作品です。


一覧に戻る