第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『アフターブレイブ おかえりなさいませ、勇者さま。』 オシノシノシ


評価コメント(1)

 “勇者”というプラスになるはずの要素が、主人公の高校生・佐藤をどツボにはめていくという設定が面白い。妥協せずに「イヤな主人公」を描き抜き、読む側にそれを納得させる流れにも感心させられました。
 さらに、複数のキャラが異世界というひとつのワードでつながっていて、それが伏線として効果的に機能していることにもうならされました。

評価コメント(2)

 異世界で世界を救った勇者も現実に戻ればただの高校生……という設定も良いが、それ以上にクラスで浮いてしまう痛々しさや、好きだった女の子が自分をいじめる男に惚れているという絶望感、主人公の冒険が本当に存在したのかという不安感など、目を背けたくなるような感情を逃げずにしっかりと書いた点を評価します。キャラクターの中では兄の使い方がよかった。実際に作品に登場するのは後半からながら、登場しない場面でも存在感を示すと供に、物語に隠された大きな仕掛けの一部になっているのが見事です。


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