第1回『このラノ』大賞 特別審査委員 栗山千明さん選評

特別選考委員 栗山千明

栗山千明
この度は、第1回『このライトノベルがすごい!』大賞の特別選考委員に選んでいただきありがとうございます。ライトノベルが大好きではありますが、あくまで一素人、一読者としての意見ですので、至らない点もあるかとは思いますが、個人的な感想を述べさせていただきます。

栗山千明賞『ファンダ・メンダ・マウス』

出だしから何が始まるのだろうというワクワク。テンポよく独特の世界観を感じました。ダークさだけではなく愛のあるストーリー。姉であるネーネ、男であるミチルちゃん、そして機械のクソッタレ……皆の愛を感じ感動的でした。
どれも面白く読まさせて頂きましたが、中でも『ファンダ・メンダ・マウス』は、なかなか味わう事のない世界に導いてくれました。一言で言ってしまえば私好み。万人ウケとは違うかもしれませんが、逆に誰にでも作れる作品じゃないように思います。なので、私の名前が付く賞らしいのでは?と勝手ながら思いました。この作品に栗山千明賞を贈ることが出来て大変光栄に思っています。ありがとうございます。

大賞『ランジーン×コード』大泉貴
(応募時タイトル/筆名:『コトモノオト』泉貴大)

いろんなコトモノと出会い、視点が変わって行くのが面白かったです。いろんな世界観、価値観があって、どっちが善とか悪とかって分からないものだと思いました。

金賞『僕たちは監視されている』

(応募時のタイトル『僕たちは、監視されている』より改題)
「IPI症候群」。何かにのめり込んでしまうのは人間の性なんじゃないかと思いました。何かのファンだったり崇拝したりマニアだったり。そんな対象がいる事で日々の活力になるんだと思います。青春ストーリーでありながら、その一方でプライバシーについても深く考えさせられました。

特別賞『伝説兄妹!』
(応募時タイトル:伝説兄妹)

どうしようもない学生が純真無垢な少女と出会い、嫉妬という感情からだんだん人間らしさを取り戻し、神業で世界を救う。人はこんなに変われるんだと前向きになれる作品でした。

優秀賞『暴走少女と妄想少年』

高校生らしい妄想少年に無邪気な暴走少女、愛されるキャラクターだと思いました。アニメでも見てみたい作品でした。