第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『アーキタイプな都市伝説』 早瀬陽

 中学3年生の男子・砕場瀬乃は、妹・唯子によって「都市伝説研究会」なる怪しげなサークルの顧問にさせられてしまう。そして最初に研究対象として選ばれた「引きこもりのひき子さん」の調査をきっかけに、最強最大の都市伝説の主・カシマレイコと対することになる。


評価コメント

 物語の“起”が、うまく並べられたエピソード群を経て成長し、最後にきちんと落ちていることに感心させられました。そして、物語の原動力である主人公の妹・唯子が主人公を物語の深淵へと引きずり込んでいく描写のすばらしさ! 読み進めるにつれ、ぐるぐる感情が弄ばれました。「都市伝説」として現代ホラーに欠かせないインターネット・携帯電話などを名脇役として立ててみせた手腕を含め、構成力とセンスの高さを感じました。

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