第1回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『あたしは姫である。名前はまだ無い。』 花里昂生

 海賊船で生まれたその少女には、名前がなかった。しかし、彼女こそは弱国イグルスの皇女様なのだ。父と共に大陸を放浪した彼女は、あることをきっかけにイグルスへ舞い戻り、異父姉レアのいる王宮へ潜入を試みる……。


評価コメント

 全編を通して目くるめく展開を見せ、物語の密度が驚くほど高い作品です。その反面、展開が速過ぎるというデメリットも。ですが、そんなことがどうでも良くなるくらいに文章に味があります。「あたし」の一人称でさらりとセンスのある一言を出したかと思えば、緊張感を一瞬で笑い飛ばすような掛け合いが光ります。

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