第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『やさしいNの減らし方』 奥谷有


評価コメント(1)

 文体、設定、展開の全てが有機的に結合した読み応えのある作品でした。その中心にある主人公・瀬村文人の能力を活用して、リアリティに欠けるラブコメ的シーンを違和感なく展開させたり、凄惨な場面をラブストーリーに変えてしまう超展開に感心しました。作品全体を通して、現代の若者が抱えるコミュニケーションへの恐れが浮き彫りになっており、時代の流れに敏感な作者のセンスを感じます。

評価コメント(2)

 それまでの展開を180度変化させてしまう主人公の能力により、先がどうなるのか読めない展開が続く作品です。現実の高校生活と並行して進むチャットでのやりとりも、物語後半にうまく本筋と絡められていました。


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