第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『二十一世紀妖怪談義 ハイスクール編』 mco


評価コメント(1)

 妖怪に「名前をつける」という設定が新鮮でした。「新・百鬼夜行図」を編纂するという物語そのものを始め、出てくる妖怪の能力がことごとく下らなく、でも、その下らなさがいい味を出しています。それから、改行の使い方にぐっと来ました。行間を空けることで微妙な間が生まれ、そうしてできた間を笑いに取り入れているところにセンスを感じます。

評価コメント(2)

 妖怪や都市伝説に加え、身近なちょっとした現象までを含めて「21世紀の妖怪もの」としてうまくまとまっています。主人公の「カノジョをくだらない不幸に陥れる妖怪」という設定も新鮮ですが、それにめげない久利子も魅力的。連作短編という形式も物語のテーマにマッチしていて、それぞれのエピソードの読後感も良かったです。


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