第1回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『僕たちは、監視されている』　里野修平

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評価コメント(1)

　祭とユイガがとてもいい子で応援したくなりました。「追いかけなくちゃならない」なんて義務感で無闇に動いては駄目だと考える祭の誠実な考え方や、自分の弱さに向き合う勇気、祭たちに迷惑をかけたくなくて自分の気持ちを押し殺してしまうユイガの思い、どちらも美しく、だからこそ二人が衝突する終盤の心理戦も盛り上がりました。また、二人を支える一葉も魅力的。
　特殊な設定（IPI配信）に特殊な設定（迫害されてきた一族）をかけ合わせるストーリー構成ですが、序盤からIPI配信についてきちんと描写していたこともあって理解困難という事態にはならずに済みました。単なるIPI配信説明用のキャラかと思っていた警官が後半にも出てきて見せ場があるのもよかったです。
　IPI配信の設定は冷静に考えればものすごく変な話なのに説得力があります。

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評価コメント(2)

　作品のバックグラウンドが現実をうまく反映しており、リアリティーとフィクションがほどよくブレンドされて臨場感たっぷり。非常に魅力的な作品です。キャラクターも、類型的なものから一歩抜きん出ています。特に一葉の造型は素晴らしい。読者に「こんな友人でありたい」「こんな友人がいたら」と思わせるものがありました。

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