第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『ぶらいんど・あれい』 蝶野ニュイ

 主人公の日高健心は神前高校に入学するが、美少女の冥加璃沙に勧誘されオカルト研究部に半ばだまし討ちのように入部させられる。兄二人がサイキック能力を持ち、寺の息子である健心の力を目当てにした勧誘だったが、健心自身には能力はない。健心は都市伝説として作られたチェンソー少女の存在やそれを生み出す《呪術師》の存在を知っていく。

評価コメント

 主人公を取り巻くキャラクター陣の個性が非常に良く描かれていて、それぞれのキャラづけもしっかりしています。人間関係においての立ち位置なども軽妙な会話文からよくわかり、テンポ良くやりとりする様子は読んでいて楽しいです。また、オカルト研究部、生徒会、文芸部、新聞部とそれぞれの活動を対比、敵対関係や協調関係などを作ることにより、関係性の富んだ学園ものになっている点も評価できます。オカ研の活動を導入として放課後に現れる学校の霊などを配置し、それからチェンソー少女、不幸シミュレーターと、もっていくテンポが良く、引き込まれました。
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