第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『マシロキ』 都波ミナト

 万物を構成する結聖という要素を使い、生物や自然現象、記憶などの操作を行うことを魔術と総称し、記憶を消すことを忘却術、それを使う者を忘却屋という……。忘却屋のクリスは不審死を遂げた少女の記憶を消してほしいという依頼を受けるが、それを調べるうちに、姉弟子が人を殺したのではないかという疑いを持つ。

評価コメント

 魔術に関する体系的な設定がきちんと形成され、それに関してオリジナルの名や意味づけができています。メインの忘却術だけでなく、結聖の操作などを段階づけたり、秀でた魔術師の名前、組合や敵として出てくる組織など、後に広がる設定を残しつつ情報を有為に描写しています。キャラそれぞれが扱うモチーフや武器なども差別化されており、キャラづけの大きな部分を担えていて、それにより設定をうまく物語に活かすことができています。また、モノローグ部分が印象的で、キャラクターの心情理解に一役買っています。
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