第3回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『留流』　春夏秋冬舞

　世界に散らばる「力」を感知する能力を持ったギルは、それを利用しようとする帝国から逃亡する。追っ手に追い詰められたところをエクスという青年に助けられ、彼の村に案内される。そこは帝国の支配から逃れた人々の隠れ村だった。ギルはその村に「力」が眠っていることに気づく。

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評価コメント

　「力」を感知する能力を持ちながらそれ以外は全く非力な主人公のギルが、帝国から逃げ出すという始まりは緊迫感に溢れ、物語世界にぐいぐい引き込まれます。続く村と帝国の戦闘と、「力」の解放という展開も面白く、ファンタジーの魅力をたっぷりと堪能することができました。それでいてシーンの展開だけに偏ることなく、キャラクターの交流がしっかりと描かれており、バランスの取れた良作といえます。ハイファンタジーにありがちな風呂敷を広げすぎて中途半端に終わったり、完結させられないといったこともなく、物語の中心軸をギルとエクスの交流に置くことですっきりとまとまった作品となっています。
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