第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『星とハチミツの存在証明』 藤八景


評価コメント(1)

 物語の核となる能力の設定にオリジナリティがあります。存在を理由にして肉体を補完するという設定、そもそも存在することが肉体を得る前提だというのは、とくに目を引きました。存在の力、その影響範囲、各キャラクターの発動におけるビジュアル的なイメージなどもしっかりしています。それぞれのキャラクター戦闘スタイルを名前や容姿などにより、イメージとしての具体化の強化ができているので、キャラクターの存在が際立って感じられました。また、それぞれのタームに独自の名づけ、漢字とルビとの二重の意味づけが行われているのも、オリジナリティを強化しています。

評価コメント(2)

 とにかくまず、世界観、設定が素晴らしい。文章中に綺羅星のごとく散りばめられたかっこいい固有名詞が、読み手をぐいぐいと作品世界に引き込んでくれます。昨今よく言われる「中二病」という小賢しい概念を、豪腕で捻じ伏せるような熱さが感じられました。主人公、ヒロインから敵方にいたるまで、キャラクターはみな魅力的。構成もしっかりしており、クライマックスあたりは実に燃える展開でした。


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