第3回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『校内放送が恋を語る話』 北尾一良


評価コメント(1)

 なにより導入部からの展開が非常に秀逸であり、読者を引き込む仕掛けがとても考えられていると感じました。大きなミステリーを提示して始まった物語は、キャラクター配置とミスリードが巧みに計算されており、中だるみすることなく展開し一気に読めました。キャラクターたちも個性を持たせ魅力的に描かれており、完成度の高い作品に仕上がっています。

評価コメント(2)

 校内放送、学校のスピーカーでしか対話できない相手との恋というアイディアが面白いです。ところどころ、例えば少女捜索中の壮太と安江のやりとりなどは非常にテンポ良く会話のキャッチボールがなされ、読んでいて気持ち良かったです。また、ストーリーの流れが明解で、文章も非常にすっきりとしていて読みやすいので、文章的な部分ではレベルを充分に満たしています。


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