第3回『このラノ』大賞 3次選考結果

2次選考を通過した24作品の中から3次選考を通過した6作品が決定しました。
本年度は6作品が3次選考を通過しました。
(掲載は五十音順)



『オレを二つ名で呼ばないで!』 逢上翁児 →2次選考評価コメント


『擬態少女は夢を見る』 島津緒繰 →2次選考評価コメント


『はんぶんのイチ』 飛山裕一 →2次選考評価コメント


『剣澄む~TSURUGISM~』 ますくど →2次選考評価コメント


『ロゥド・オブ・デュラハン』 松崎 →2次選考評価コメント


『サマにならない英雄伝説』 遊馬足掻 →2次選考評価コメント

3次選考総評

 『このライトノベルがすごい!』大賞もおかげさまで第3回を迎えることができました。本年度もたくさんのご応募いただきありがとうございます。
 今年の3次選考は、作品の評価が非常に拮抗し、選考は例年以上に難航しました。結果、例年は5作品が最終選考に進んでおりましたが、本年度は上記6作品が最終選考に進む形となりました。
 逢上翁児さんの『オレを二つ名で呼ばないで!』はシンプルな文体による、高いリーダビリティーと王道的な展開が高評価でした。
 島津緒繰さんの『擬態少女は夢を見る』はアニメ制作という題材の面白さと、それを青春モノに仕立て上げた手腕が光りました。
 飛山裕一さんの『はんぶんのイチ』は主人公と悪魔の醸し出す、独特な空気感と、キャラクターの意外性に注目が集まった作品です。
 ますくどさんの『剣澄む~TSURUGISM~』は知識に裏打ちされたクールな世界観に引き込まれた作品。静と動のメリハリの利いた、バトルシーンは真に迫るものがありました。
 松崎さんの『ロゥド・オブ・デュラハン』はデュラハンという存在を軸に、しっかりと物語がまとまったダークファンタジーでした。敵味方問わず、キャラクターが魅力的なのも好感が持てました。
 遊馬足掻さんの『サマにならない英雄伝説』はキャラと設定に新鮮味がある作品。読者の期待を良い意味で裏切りながら進む、独特のテンポ感が印象的でした。
 最終選考に残った6作品はそれぞれ、方向性は異なるものの、どういうものを読者に届けたいかという明確なビジョンをもった作品ばかりだったように思います。
 次に、3次選考通過にもう一歩だった作品をいくつか以下に挙げます。
 中島英人さんの『ドラゴンチーズ グラタン~ヴィーディル食堂のレシピ~』は料理を題材に、オリジナリティー溢れる設定と、発想力の高さが目を引きました。今後はその世界観をいかに読者に分かりやすく伝えるかが課題になるように思います。
 雨野ちはるさんの『竜の少女の世界録』は竜の存在を軸にした王道ファンタジーで、キャラクターに強く感情移入させる力を持った作品でした。展開やエピソードを練り直すことで、一層、魅力的な作品になると思います。
 藤八景さんの『星とハチミツの存在証明』は密度の濃いバトルもので、多数のキャラをしっかり描き分けられているのも好感が持てました。文章、描写などを整理するともっと、イメージが読者に伝わりやすくなるでしょう。
 今回、惜しくも3次選考を通過できなかった方も、是非また来年もご応募いただければと思います。『このライトノベルがすごい!』大賞では、皆様からの力作をひきつづきお待ちしております!