第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『バイバイ、静かな日々』 かなた

 女子高生・志筑琴乃は、歯に衣着せぬ発言で、周囲の人間に避けられていた。孤独な日々を送っていた琴乃だったが、高校2年の始業式で出会った不良・杵島亮人とのトラブルがきっかけで、柳ヶ瀬暦という友人(候補)ができる。

評価コメント

 荒削りですが、魅力的な作品でした。作中のキャラクターたちの言動は大真面目。でも、掛け合いになると微妙にユーモラスになります。良質のコメディにも通ずる「哀しい可笑しみ」が感じられると言ったら、言い過ぎでしょうか。しかしこれは、意識して作れるものではない大事な個性。大切にしてもらいたい。そんな不思議な味わいを支えているのは、キャラクターたち。不器用でひたむきな登場人物のひとりひとりがいとおしく、特に主人公の琴乃の台詞や行動原理は個性的で、大変良かったです。「ほのぼの4コマ」だけでなく、こんな日常系があっても良いと思わされました。
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