第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『Re・surge』 達海みのる

 高校入学を機に地元を離れ、小和町にやってきた熊倉悠人は、隣のクラスの安積和紗に「あなたを神様と呼ばせて貰います」と宣言され、付きまとわれてしまう。なぜそんなことをするのかと問いただすと、家の神社に祭ってある木像に顔が似ているからだと言う。まさか似ているわけないだろうと思い見に行くと、酷似していたので引っ込みがつかなくなり、神社の広告塔として商店街を活気づける仕事を引き受けてしまう。彼女には、何か秘密の目的があるようなのだが……。

評価コメント

 具体的にどうやって人助けをするのか、一高校生に何ができるのかという点について、よく考えられています。そのリアルな問題意識を、個別の人助けをするエピソードの作りこみと、しっかりした心理描写で支えることができています。特に、商店街をどう振興させるかについての工夫や、そこから生じたデメリットが、大きなストーリーにつながる展開が面白い。銃剣道のディテールなど、細かいところにも気配りができています。
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