第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『Z系少女は隠してる』 会川内側

 高校入学を機に上京した隠れオタクの一橋一途だったが、彼が入学した八神学園はこの二十年来オタク系部活の存在を許さない高校だった。新任教師にして同人作家である姉から「なり手のいない運動部の顧問をさせられそうだから適当に部活を創設しろ」と持ちかけられた一途は、二人の会話を聞いていた超絶美人同級生・二見二十日に話しかけられ……。

評価コメント

 キャラが魅力的。孤高に見えて実は内気なだけの毒舌オタク、リア充偽装の隠れオタ、存在感が異能レベルで薄い腐女子と、登場人物のキャラが立っていて、それぞれのやり取りが楽しい(特に、隠れオタが一般人アピールをしようとしてどんどん墓穴を掘っていくくだりはとても笑えました)。クライマックスでも、各人の個性がきちんと発揮されています。伏字を使いつつもアニメや声優などの実名を出しまくり、その羅列ぶりが一種のリアリティをもたらしています。生徒会長のオタク向け作品への指弾もかなり的確で、ゆえにこそ、追い詰められたZ研の必死の反論が胸に迫ります。
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