第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『ヒャクヤッコの百夜行』 サブ

 霊力が高い裕也は、住職なのにダメ人間な父親が引き受けてしまった依頼のため、妖怪が異様に発生しているという高校へ転校する。人と妖怪が融合した少女・谷津子と初日にいきなり接触した裕也。謎のノートに導かれ、校内に隠れる百八つの封印を解こうとしている彼女に付き合い、事件の謎を解こうとするのだが……。

評価コメント

 さらりと読めるライトノベルで、ハッピーエンドが心地よい。おバカだけど明るくにぎやかな谷津子が、素敵なキャラ。彼女の暗い人間時代にも、興味がわきました。彼女をドライに、時に冷たくあしらう裕也ですが、同情できる境遇もあってか、意外と共感できるように描かれているのが良いです。裕也の父親も、ダメ人間ながら徹底したギャグ要員として扱っているため、どこか憎めない存在。チュパカブラや腐女子なゾンビなど、ネタ要員かと思っていた脇役妖怪たちが、ラストバトルでそれなりに活躍しているのも楽しいです。
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