第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『宇宙はデレを求めている』 詩希名駿彦

 聖輝石とよばれる映像を記録した隕石を研究する部に所属の一哉たち。ある日、ビルの屋上で宇宙人の少女クーニャと出会う。彼女によれば、宇宙は滅亡の危機に瀕しているという。危機を回避するには、地球のあるものが必要らしい。部長の野乃子はそれを「デレ」と断定し、一哉は三種のデレを集めることになる。

評価コメント

 様々な景色を映し出す聖輝石というアイデアに興味を覚え読み進めると、デレを集めるという突飛な展開に思わず引き込まれました。主人公の一哉がデレさせる相手は、幼馴染みでツンデレの姫香、部長で天真爛漫な先輩デレの野乃子、外ではそっけないが家で二人きりになると、ものすごいご奉仕をしてくれる妹デレの愛理とバラエティ豊か。それぞれのデレ具合に、思わずニヤニヤさせられます。しかし、ストーリーはそれだけに留まらず、意外な展開をみせ、飽きさせない。デレというライトノベルの必須要素を、大胆にテーマにするアイデアを高く評価したい。
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