第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『アルジェントの輝き』 霜月セイ

 マフィアの抗争に巻き込まれ、記憶を失った主人公の少年。彼は『フィランテファミリー』という組織に拾われ、六つのマフィアが追う十二人の裏切り者と、彼らが生み出した《傀儡》という生物兵器との戦いに巻き込まれていく。

評価コメント

 文章力が高く、表現が安定しています。マフィアたちを取り巻く空気感がしっかり描写できており、作品に確立した雰囲気を持たせることに成功していました。設定部分の説明が丁寧で、世界観が伝わりやすく、読み手への配慮が感じられる点も良い。キャラクターの書き分けや、特徴的な性格付けもよくできており、セリフだけでも誰が発したものなのかわかります。「戦意」をキーワードとし、武器だけでなく各人のエピソードやテーマ、そして敵役となる怪物にまでそれが関係づけられています。全体を通じて、物語を作ることに手慣れていると感じさせられました。
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