第4回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『初恋の相手を殴って消し去る噺』 二○十三

 尼子紋子は、コスプレでチャンバラをする同好会に参加していた。しかし、ある出来事をきっかけに、同好会は本物の凶器を用いるようになり、紋子も命を狙われる。忍という少女に命を救われた紋子は、忍の仲間と共に、同好会への反撃を開始する。

評価コメント

 キャラクターが、強烈かつ奇抜。導入部ではパニック・デスゲームものだったのに、キャラクターが動くたびに雰囲気が大きく変わるほどのパワーを持っています。特に、主人公側のボス的役割を果たす小雪は、本人のアクションと周囲のリアクションをよく活用して、人物像を確立させています。何を言い出すかわからない忍もユニーク。凶暴な女の子たちが多いのですが、しっかり弱さも描いてギャップ萌えを誘いつつ、読み手に嫌われないようバランスが取れている点も良かったです。また、地の文での雰囲気作りがうまく、パニックやホラーといった、読み手をぞっとさせるような空気の演出が特に冴えていました。
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