第5回『このラノ』大賞　2次選考通過作品詳細

『月夜ノ魔女の物語』　金山太一

評価コメント(1)

　魔法が存在しない世界に現れた魔女狩りの少女、小さいころに起こった交通事故の真実、「あっちの世界」といった思わせぶりなセリフなど、たくさんの伏線がはられ一転二転するストーリーに圧倒されました。それがたった４～５人の登場人物で繰り広げられているということに驚きです。銀色のショットガンを武器にしたクールなサツキ、飛び抜けてゆるい幼馴染のアサヒとヒロインも魅力的。そしてなだれ込むように突入する最後のバトルは、読んでいるときにぐぐっと力が入るほどでした。

評価コメント(2)

　濃厚な設定から生み出される異世界観、そして濃密なバトル描写に胸が熱くなりました。伊月やアサヒの送る平凡な日常のかけがえのなさと世界の命運がかかった戦い、対極にある二つのものを対置しつつ、どちらの描写も手を抜かずに描き切ろうとしているところに好感が持てます。また、思い切りが良いのもこの作品の美点です。ショットガンを持った少女が学校に襲来して教室を射撃する場面などは、ガチの中二っぽい印象もあるのですが、テレを捨てて振り切っているためか、下手な中二臭さを感じさせることなく熱い展開に持っていくことに成功しています。

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