第5回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『灰色の未来はその少女たちの炎に照らし出される。』 川田能生紀


評価コメント(1)

 キャラクター・ストーリー・設定。ライトノベルに必要な要素の総合的なバランスが高い作品です。キャラクター作りにおいては、主要3人がしっかり個性的に描かれています。とくにメインヒロインである土湯は、少々エキセントリックな部分すらも、微笑ましい可愛さに転化できています。加えて、とある設定によってキャラクターへの愛着が倍増。主人公は鬱屈しながらも芯がしっかりしており、感情移入しやすかったです。設定やラストバトルなどには、新しいことや独自の世界観を描こうとする意欲が感じられました。

評価コメント(2)

 世界観にオリジナリティーがあり、かなり細かいところの設定・名称まで考えられている点が良かったです。霊人形という独特の設定を出すにあたり、その背景となる思想的な部分まで踏み込み物語を展開していくところは完成度が高いです。それぞれのキャラクター、とくに主軸となる二人に関しての関係性も物語が展開する中でよく描けていました。三人の霊人形の配置もバランスよくとられており、そういったところにもうまさが感じられました。


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