大賞賞金500万円、金賞200万円、優秀賞100万円! 第5回『このライトノベルがすごい!』大賞選考結果発表!
第1回『このラノ』大賞 受賞作品詳細
第1回『このラノ』大賞 / 特別賞
『伝説兄妹!』おかもと(仮)
(応募時タイトル:「伝説兄妹」)作者プロフィール
昭和五十九年九月十一日名古屋にて出生。幼少期は大阪、千葉、北海道と移動し、現在は小樽で生活。明日が見えない二十五歳の大学生。あらすじ
才能はなく、お金もなく、だが働きたくない。ないない尽くしのダメ大学生・柏木は、食糧を求めて入り込んだ山の中で、奇妙な遺跡を発見する。遺跡の中で出会った少女が持つ、凄まじい詩の才能を目の当たりにした彼は、彼女をデシ子と名づけ、妹として自分の家に住まわせ始める。柏木の目的は、彼女の詩を自分のものとして売りさばくことだった。目論見は成功し、一躍大金持ちとなる柏木だったが、謎の美女が彼の前に現れ……。受賞コメント
賞が頂けて、僕はとても幸せです。受賞の報告を聞いた時は、後輩と一緒に駅前のロッテリアで、タワーチーズバーガーはいったい何段まで積んで食べるのが一番おいしいのか検証しているところでした。わかったのは、普通のチーズバーガーのほうがうまいということでした。それがわかると、なんだか虚しい気分になり、僕はうつむいておりました。その時です、受賞の連絡を頂いたのは!僕は喜びのあまりロッテリアを駆け出し、飛び上がりました。後輩は置いていってしまいました……。僕のような男には、今回の受賞は身に余る光栄です。光栄すぎて、僕は近い将来死んでしまうのではないだろうかと考えてしまいます。やめてください、もう十年いや二十年くらいは生きていたいです! このままでは死ねません、どうせならもっと小説を書かせてください! まじめにそんなことを考えてしまいます。本当に幸せです、ありがとうございました!
最終選考委員選評
→ 勝木弘喜(ライトノベル・フェスティバル初代実行委員長)→ 極楽トンボ(評論家、HP「まいじゃー推進委員会!」管理人)
→ タニグチリウイチ(書評家)
→ 工藤淳(「まんが王八王子店」小説担当)
→ 丸山晋司(「コミックとらのあな」)
→ 特別選考委員栗山千明さん選評はこちら
勝木弘喜(ライトノベル・フェスティバル初代実行委員長)
まず主人公の馬鹿さが素晴らしいです。金に汚く、意味もなく自信家で、嫉妬深く、ここまで嫌な人間はなかなか書けるものではありません。そしてなんといってもデシ子が素晴らしい! 賢く素直で、その性格に付け込まれ主人公に騙されるわけですが、それも承知の上という、できた娘です。己の才能のなさを自覚し嫉妬しながらも、デシ子の従順さを利用して一儲け。とんとん拍子に金儲けができる上昇感が楽しいです。その隙間に入り込んでくる喪失感、虚無感も見事。主人公の性格からしてどうしようもない最後が待っているはずなんですが、性格はほぼそのままになぜか救われてしまう。ほぼそのままなのが良い。ダメ人間だけど、まるっきりダメばかりでもない、人間臭さにほっとする作品です。