第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『キレイナオト』 望公太

 一人称が「僕」の美少女・綾岬鳴音(ナオト)と、一人称が「私」の少年・多久屋涼希(スズキ)。一緒にいることが多い2人だが、つき合っているわけではない。不思議な距離感で軽口を叩き合う今の関係を、スズキは居心地よく感じていた。ただひとつ、変な事件にすぐ首を突っ込むというナオトの悪癖さえなければだが……。

評価コメント

 ナオトとスズキの2人を中心に展開していく学園ミステリー。軽妙な会話と、そこから読み取れる2人の奇妙な関係性がおもしろかったです。 作中で2人は3つの事件を解決していきますが、物語を読み進めるにつれ、ナオトとスズキに対する読み手の印象が少しずつ変化します。3つ目の事件を読み終えると、それまでに抱いていた印象がガラリとひっくり返されてしまいました。衝撃的な構造が印象的でした。

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