第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『RGB-戦うアルビノとネクタイ抗争-』 晴海まどか

 小金井瑞希は幼馴染の鳴海涼太に再会するため、東京の私立「茜学園」へ転入を果たした。しかし、この学校は、最新鋭の設備を誇る一方で「進学クラスの青」「スポーツクラスの赤」「普通クラスの緑」「どれにも属さない白」のネクタイを付けた生徒たちによるヒエラルキーが形成されていた。おかしいと思ったことをハッキリ口にする性格の瑞希は、色分けを否定し、「白」として仲間を集め、学園のルールを決定できるネクタイ争奪戦「タイ・フェス」に挑むこととなる。

評価コメント

 前半では瑞希による色分けに対する挑戦から仲間集めまでを描き、後半では一種のサバイバルゲームである「タイ・フェス」を複数の視点から描くことで、映画を見ているようなメリハリのある盛り上がりを演出しています。各チームごとに個性的な人物が存在し、仲間集めや情報戦の様子も楽しく、抗争の結末がどうなるのかページをめくる手が止められない面白さがあります。ネクタイの色によるヒエラルキーの存在はやや非現実的ですが、その環境で暮らしつつも現状に疑問を感じる友子の存在などもあり、一定の説得力を持たせることに成功していました。

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