第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『ハナヤカタ』　高橋ワタル

　四ツ乃葉高校に通う少年・真田理央は、４月から一度も登校していないクラスメートの様子を見に、坂の上の古い洋館へと行くことになる。理央はそこで日本人形のような少女と遭遇するが、彼女こそ件のクラスメート三條和歌だった。まるで世間知らずな和歌に惹かれ、理央は家庭教師兼召使として、その館――桜風館に通い始めるのだった。

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評価コメント

　理央少年の視点から描かれたオーソドックスなスタイルのボーイ・ミーツ・ガールの物語。丁寧かつシンプルな文体で語られる物語は、読みやすく、青春の甘酸っぱさをしっかりと感じさせてくれます。
とくに主人公の心理描写がなかなか巧み。読み進めるにつれて、理央の和歌に対する想いに読者は自然と感情移入させられていくことになります。

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