第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『実用・魔法科学便覧 ~恋のトランスクリティカル分岐~』 嵐里和己

 星森学園において部室を共同使用している科学部と魔術部は、互いの信じる理論の違い故に宿敵同士であった。そんな彼らがそれぞれの部の威信を賭け、新入生・関場の恋愛成就に乗り出すことになるが……。

評価コメント

 総じて文章力が高く、とくに会話文はテンポがありセンスが感じられました。科学部部長・立科理駆と魔術部部長・天橋文末というエキセントリックな2人のキャラクターがよく描かれており、なかでも理系男子の象徴的存在である立科理駆の性格と発言はリアリティがあります。恋愛成就への科学と魔術によるアプローチの違いは、それぞれに「さもありなん」ですが、それをコメディにまで昇華させた著者の技量に優れたものを感じます。

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