第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『六法全書の魔法的解釈』 境康隆

 法曹一家に生まれ、正義と法律を信じる女子高生マヒル。いつも法律書を手放さず、法律に則って正義を実践する彼女はいま、不良グループと学校屋上で対峙していた。そこに突如閃光が現われ、マヒルは異世界へと飛ばされてしまう……。

評価コメント

 “六法全書が異世界では魔導書になる”というワンアイデアを奇抜な設定だけに終わらせず、うまく物語に取り込んで破綻させないストーリーにした著者に、高い力量を感じました。法律を駆使して戦うという工夫をこらしたバトルシーンをはじめ、物語展開のテンポもよく、それぞれのキャラクターにも味があります。異世界へ飛ばされるという非常事態のなかでの各キャラクターの行動は、性格と整合性がとれ、納得できるものでした。物語の終わらせ方も非常にうまいと思います。

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