第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『みっくす! 八手高校騒動録』 大友鎬

 ピーマンが食べられない侘助は、誘拐されたピーマン農家の娘、槐を助けるためにピーマンを食べて「ぴ~マン」に変身する。死んだ友人の槇を助けるために、三稜草は時間を跳躍する。八手高校の生徒たちは誰かを守るために超能力を発揮する。交差する“関西笑い”がたっぷりの物語。

評価コメント

 「これでもか!」というくらいに盛り込まれたボケツッコミに吹きつつ、とにかく楽しく読める作品でした。ピーマンを食べて「ぴ~マン」(ダサい)に変身したり、感情によって天気が左右されたり、役にたつ能力なのに真面目に不真面目なキャラクターたちが発揮すると、本当に役に立つ能力なのか疑問に思えてくるのがおもしろかったです。登場人物が多いため混乱させられてしまいますが、それぞれがそれぞれの目的のために右往左往しているので、敵役であっても憎めないところがよかったです。短話の連続が次第に絡み合いラストへと繋がっていく構成も、なかなかできるものではなくプラス要素でした。

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