第2回『このラノ』大賞 1次選考通過作品詳細

『チコリと魔法の物語　～魔法使いが夢見た嘘～』　水虫ヒロ

　一家が貧困にあえぐ中、奴隷に売られることを決意したチコリ。貴族の屋敷に輸送される途中で騎士ケサンに救われた彼女は、邪悪な貴族との対決などの紆余曲折を経て魔法の才能に目覚め、ケサンとともに「世界の崩壊」を企むという魔法使いクツァルに立ち向かう旅に出る。

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評価コメント

　チコリの賢さと、作中の言葉を借りれば「清らかさ」が、魅力的。そんな彼女の姿勢が序盤から一貫していて、だからこそクライマックスのクツァルとの戦いで取った行動も、真相を知った後で決心したことも、驚きつつも彼女ならさもありなんと納得させられました。文章が読みやすく、ストーリーも起伏に富んでいて、一気に読めました。男爵やその配下など脇役もしっかり描いていて読みごたえがあります。しっかり完結していながら、その先の物語も読んでみたいと思わせる、よくできた構成でした。

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