第2回『このラノ』大賞 2次選考通過作品詳細

『神様の死角につくった楽園』 武藤暁


評価コメント(1)

 文章をコンパクトにまとめながらも、非常に読み応えのある物語になっています。素直に感心させられました。加えて、軽やかな文体にシュールさや残酷さを練り込む作者の感性にも光るものを感じました。

評価コメント(2)

 彫刻家ホコロビと死神ヒトリが町を転々とする本編と、合間合間に挟まれている不思議な不思議な物語、そのどれもがハッピーエンドとはかけ離れていて、どれも切なさと寂しさを印象づけながら物語の最後にはすべてが1つとなって散っていきます。そんな展開に思わず鳥肌が立ち、読了後にはなんとも言えない感情が残りました。物語の素晴らしさに感動を覚えました。登場人物1人1人に幸せとは何か?と問いかけ続けることで雰囲気に飲み込まれることなくキャラクターを上手に書ききっています。無駄もなく安心してストーリーに集中することができました。目立った欠点もなく非常に完成度の高い作品に仕上がっています。


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